住宅設備・建材はメーカー単位で品番体系が異なり、似通った品番も多いため、共同配送倉庫では入荷から邸別仕分けまで紙の品番リストを使った目視照合と手作業のラベル貼付が発生していた。ピーク時は短時間に大量の箱を捌く必要があり、確認作業の滞留や取り違えによる誤出荷、再配達コストが課題だった。熟練者の暗黙知に依存した最終確認は人員配置の柔軟性を下げ、繁忙期の増員教育にも時間がかかっていた。
解決策は、資材の外箱をスマートフォンで撮影するとAI-OCRがメーカー名・型番・数量・色柄などの文字情報を瞬時に読み取り、倉庫管理システム(WMS)上の入荷予定データと自動で突合し、照合OKなら邸別・現場別の出荷ラベルを自動印刷する一連のフローに置き換えることだ。建設物流特有の“多メーカー混載・似た品番が多数・朝一着指定”という現場事情を踏まえ、読み取り結果に対して類似品番の曖昧一致チェックや数量差分の自動警告、現場ごとの搬入制約を反映したラベルレイアウト(搬入順・階層・置き場情報など)を同時に生成する。紙リストは不要となり、作業者はカメラで箱面をなぞるだけで正しいラベルが手元に出るため、製品知識の浅いスタッフでも同一品質で処理できる。例外時は画面に候補品番と差分理由を自然言語で提示し、判断をガイドする。結果として最終確認のボトルネックが解消され、入荷検収から邸別仕分けまでが止まらない“流れる倉庫”を実現する。
想定業務量2,500箱/日の場合、手作業の確認・ラベル発行が1箱あたり45秒から15秒へ短縮し、総作業時間は約31.3時間/日から10.4時間/日に削減(▲20.9時間/日、約67%削減)。誤出荷率は1.2%から0.2%へ低減し、再作業と再配達の手戻り時間も大幅に圧縮される。
上記の想定条件で時給2,200円(諸経費込み)とすると年間約5,200時間の削減で約1,140万円/年を節約。初期導入費800万円、運用費200万円/年の場合、初年度で約940万円の純効果、投資回収は約10か月。誤出荷起因の再配達・現場待機の損失も減り、顧客クレームと納入遅延が目に見えて減少する。
センコーは住宅建材の共同配送倉庫で、外箱をスマホ撮影しAI-OCRでメーカー名や型番を読み取り、WMSの品番・数量と自動突合して記録化、出荷ラベルも自動印刷。2024年7月に埼玉主管支店へ導入後、厚木や名古屋など計5拠点へ展開し、目視照合を省いて邸別仕分けの生産性とサービス品質を高めた。
同じ仕組みを入荷検収伝票や納品書、現場サイン入り受領書の自動読取に拡張し、WMS・TMS・会計への連携を自動化できる。外箱以外の部材袋や長尺物のラベルにも対応し、現場側では納入リストの自動照合や不足品の即時起票まで一気通貫にする。データが蓄積すれば、品番ごとの誤読傾向を学習して配置計画やピッキング順を自動最適化し、繁忙日の要員計画や配車の波動平準化にも活用可能だ。
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