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紙の通電申込書を“読む→照合→登録”まで無人化し、処理時間を64.5%短縮するAI-OCR×RPA

業界:建設・インフラ 部門:サービス・カスタマーサポート 課題:コスト削減・業務効率化 ソリューション:通電申込書のAI-OCR×RPA自動受付・基幹連携

背景・課題

電力などインフラのカスタマーサポート部門には、工事や開通に直結する通電申込書が紙やFAXで毎月大量に届き、オペレーターが基幹システムへ手入力していた。手書き文字やレイアウト揺れによる読み間違い、繁忙期の件数急増に伴う入力遅延や外注費の増大、二重チェックにかかる工数、監査対応のための原票探しと突合せなどが重くのしかかり、顧客対応スピードとコストの両立が難しかった。

AI活用ソリューション

解決策は、通電申込書に特化したAI-OCR×RPAの一体運用である。紙・FAX・メール添付PDFを自動収集して画像補正し、手書きや非定型の申込書でも高精度に読み取るAI-OCRで氏名、住所、契約種別、希望日などの主要項目を抽出する。抽出結果は住所辞書や郵便番号マスタで正規化し、契約者・設備の社内マスタと自動照合、必須項目の欠落や整合性エラーはシステムが検知して例外トレイに振り分ける。軽微な不備には生成AIが自然な文面の問い合わせメールやFAX返信テンプレートを自動作成し、担当者はワンクリックで送信するだけでよい。内容が確定した申込はRPAが基幹システムへ項目単位で入力・登録し、受付番号や工事指示のステータスを更新、進捗ダッシュボードでSLA遵守状況を可視化する。繁忙期は最適化ロジックが想定処理量と締切から優先度を自動調整し、限られた人員で滞留を出さない運用を実現する。

AI導入前後の変化

導入前 (Before)

  • 紙・FAXの申込書を有人で開封・仕分けし、2名体制で目視チェックと基幹入力、二重検証まで行うのが通例で、入力ミスや差戻しが一定割合で発生し、繁忙期は残業や外注で対応していた。問い合わせ文面は個別に作成するため対応スピードも担当者依存になっていた。

導入後 (After)

  • 申込書の取込みから読み取り、照合、基幹登録、進捗通知までを標準フローとして自動化し、担当者は例外の確認と最終承認に専念する運用へ転換。問い合わせ文面は自動生成で均質化し、受付から登録完了までのリードタイムを短縮、繁忙期でも処理の山が平準化される。

工数・時間

AI-OCRの読取精度は95%超、1件あたりの処理時間を64.5%削減(人手作業比)。例外対応のみを人が行うため、月間数千件規模でも入力・チェック工数が大幅に圧縮される。

イメージ図

AI活用イメージ図

成果・効果・ROI

人手入力と差戻しの削減により直接人件費と外注費を圧縮し、SLA遵守率の向上と開通までのリードタイム短縮を実現した。監査対応は受付から登録までの証跡が自動保存され、原票検索や突合せ時間が短い。ROIは処理件数と人件費単価に依存するが、1件あたり64.5%の時間短縮と95%超の読取精度が継続的なコスト削減に直結し、紙申込が毎月数千件ある業務では短期回収が見込みやすい。

実事例

電力インフラ企業のIPPSが、KDDIエボルバ(現アルティウスリンク)のアセスメントを経てAI-OCR×RPAを導入。紙・FAXの通電申込書を電子化し、自動仕分けと基幹登録まで無人化した結果、読取精度95%超、1件あたり処理時間64.5%削減を達成し、入力ミスや繁忙期の外注コストを低減した。

https://www.altius-link.com/news/detail20210128.html

さらなる展開

通電申込に加え、工事依頼書、現場点検票、保守報告書、委託先からの検収・精算書など紙起点の帳票にも横展開できる。生成AIで問い合わせ文面や不足項目の補足説明を自動生成すれば顧客コミュニケーションの平準化が進み、申込内容の表記ゆれ正規化や住所補完、設備IDの候補提案にも応用できる。複数拠点の受付業務を共通基盤に統合し、処理量に応じた自動スケーリングと人員配置の最適化まで視野に入る。

導入ロードマップ

  1. 現状分析 - 申込書の種別、件数分布、ピーク時の入電量、入力項目と基幹登録手順、差戻し要因を棚卸しし、例外パターンとSLAを定義する。
  2. 費用対効果の試算 - 現行の1件あたり工数と人件費・外注費、想定読取精度と短縮率、システム運用費を前提に、月次・年次の削減額と回収期間を概算する。
  3. PoC検証 - 代表的な申込書でAI-OCR精度、照合ロジック、RPA登録の安定性を小スコープで検証し、誤読・欠落の改善ポイントと運用ルールを確定する。
  4. 社内稟議 - PoC結果と投資対効果、リスク対策、運用体制を整理し、情報システム・業務部門・監査の合意を得てセキュリティ審査を完了する。
  5. 本番導入 - 入力チャネル連携、AI-OCR学習とテンプレート整備、基幹・ワークフロー連携、問い合わせ文面の生成AIテンプレ整備、監視ダッシュボード構築までを段階リリースし、運用KPIで継続改善する。

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