AIビジネス活用事典home

“問い合わせ直前に答えが出る”で満足度を上げる——建設・インフラのサポートに効くAIレコメンド

業界:建設・インフラ 部門:サービス・カスタマーサポート 課題:顧客満足度向上・サービス改善 ソリューション:問い合わせフォーム直前AIレコメンド(FAQ記事・修理手続きの最適提示)

背景・課題

生活インフラに直結する住宅設備は、トラブルが発生すると一刻も早い解決が求められるが、従来のFAQは言い回しの違いに弱く、利用者が目的の答えにたどり着けないまま問い合わせが増えるという悪循環が起きていた。繁忙期には入電が平時の約2倍になり、現場の負荷が上がるほど待ち時間も増えて顧客満足度の低下につながる。Web上で自己解決を後押しし、必要な人だけがスムーズに修理手続きへ進める“最短ルート”の設計が急務だった。

AI活用ソリューション

一つの解決策として「問い合わせフォーム直前AIレコメンド」を導入する。これは、ユーザーが問い合わせフォームに入力し始めた時点で、入力中の言葉から“何に困っているか”を読み取り、最も役立つFAQ記事や修理のWeb受付ページへのリンクをその場で自動提示する仕組みである。ここでいうAIレコメンドは“商品推奨”ではなく、“状況に合った解決手順の提示”を意味する。たとえば給湯器で「お湯が出ない」と打ち込めば、AIが文章の意味を理解し、蛇口か自動湯はりかといった違いを踏まえて、該当する対処記事や修理受付へ最短導線を見せる。さらに、検索欄での言い換え(リモコン/操作パネル/画面など)にも強い検索エンジンを組み合わせ、トップ画面の導線を“修理Web受付”や“取扱説明書”に張り替えることで迷わず進める画面にする。結果として、フォーム直前で自己解決できる人が増え、どうしても問い合わせが必要な人は必要な情報を添えてスムーズに送信できるため、対応の速さと満足度が同時に上がる。

AI導入前後の変化

導入前 (Before)

  • ユーザーはFAQ内で迷子になりやすく、言い回しが違うだけで検索にヒットせず、結局フォーム送信や電話に流れて一次対応が滞留していた。繁忙期には入電が急増し、一次切り分けや案内に時間を取られて本来の解決作業が後ろ倒しになり、顧客の待ち時間が長くなっていた。

導入後 (After)

  • 問い合わせフォームに到達した段階でAIが入力内容を読み取り、関連度の高い回答や修理のWeb受付を即時に提示するため、フォーム送信前に自己解決が進む。自己解決できないケースでも必要情報が揃って届くため一次対応が短縮され、現場は解決に直結する対応へ時間を振り向けられる。

工数・時間

実事例に基づく効果としてフォーム経由のWeb問い合わせが30%減少し、一次対応の処理工数も同率で圧縮される。参考として1件あたりの一次対応を平均8分とすると、月1,000件規模のフォーム問い合わせでは約2400分、すなわち約40時間/月の削減に相当するという試算になる。

イメージ図

AI活用イメージ図

成果・効果・ROI

Web経由の問い合わせを30%削減し、修理受付のWeb化率は前年対比で7ポイント向上。FAQの“記事にたどり着けたか”という指標も80%を達成し、HDI-Japanの2024年公開格付け(問い合わせ窓口/Webサポート)で最高評価の“三つ星”を2年連続で獲得。自己解決率の向上によるサポートコスト圧縮と評価向上による信頼醸成を同時に実現し、投資効果は問い合わせ削減分の人件費圧縮だけでも短期での回収が見込める。

実事例

ノーリツは検索型AI-FAQを導入し、ユーザーの入力中の言葉から意図を読み取ってFAQ記事や修理Web受付をその場でレコメンドする仕組みに刷新。トップ画面の導線も見直し、意図予測に強い検索とフォーム直前のAIレコメンドを組み合わせて自己解決を促進した。結果としてWeb経由の問い合わせを30%削減し、修理受付のWeb化率は前年から7ポイント向上。HDI-Japanの公開格付けで問い合わせ窓口とWebサポートの両部門が最高評価の“三つ星”を2年連続で獲得した。

https://www.helpfeel.com/works/noritz

さらなる展開

現場サービスや施工会社向けポータルに展開すれば、現地の型番やエラーコード、設置環境に合わせて点検手順や交換部品を提示できる。販売店・工務店向けには、施工マニュアルの該当章や動画を即時に示して工期遅延を防げる。製品IoTデータとつなげれば、異常兆候が出た瞬間にユーザーアプリへ“今すぐできる対処”と“修理予約”を同時表示するなど、予防保全と顧客体験を両立できる。

導入ロードマップ

  1. 現状分析 - 過去12〜24カ月の問い合わせログとFAQ検索語を整理し、どの言い回しで迷子が発生しているか、フォーム直前離脱がどれだけあるかを可視化する。繁忙期の入電増と一次対応時間の関係を明らかにし、自己解決余地を特定する。
  2. 費用対効果の試算 - “問い合わせ30%削減”を保守的シナリオとして、一次対応の平均処理時間と人件費から年間削減額を算出し、ライセンス・導入費との回収期間を見積もる。トップ画面改修や導線整備の内製・外注比率も含めてTCOを算定する。
  3. PoC検証 - 対象製品カテゴリを限定して問い合わせフォーム直前AIレコメンドと意図予測検索を有効化し、記事到達率、フォーム到達後の自己解決率、Web修理受付率の改善を4〜8週間で測定する。ユーザーの言い換え語を反映し、画面導線を素早くチューニングする。
  4. 社内稟議 - PoCの実測値と回収期間の試算を添えて、コンタクトセンター、デジタル、品質保証の各部門で合意形成を行う。HDI評価など対外的指標への寄与も併記し、ブランド価値向上の効果を説明する。
  5. 本番導入 - 全製品カテゴリへ展開し、FAQの継続改善体制(検索データに基づく記事改修、導線の定期見直し)を回す。問い合わせフォームAIの提示内容をABテストで最適化し、修理Web受付やマイページ連携まで含めた“最短ルート”を維持する。

ご相談・お問い合わせ

「うちでもAIを導入したいけどどうすればいいの?」無料で相談を承ります。AI活用についてなんでもお気軽にお問い合わせください。