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満席時でも“待たせない予約体験”を実現するAI音声レセプション

業界:飲食 部門:サービス・カスタマーサポート 課題:顧客満足度向上・サービス改善 ソリューション:業務自動化・RPA(外部システム/API連携による電話予約の一次対応自動化)

背景・課題

繁忙帯は電話が集中し、スタッフが接客と受電を兼務するため対応が遅延・取りこぼしが発生。営業時間外の予約希望も多く、折り返し対応が顧客体験を損ねていた。アレルギーや席種など確認事項が多い飲食特有のヒアリングもオペレーター品質にばらつきがあり、予約台帳への転記ミスがサービス不満や機会損失につながっていた。

AI活用ソリューション

解決策は“AI音声レセプションによる電話予約の一次対応を店舗横断で完全自動化”すること。具体的には、AIが電話で来店日・時間・人数・氏名・連絡先・要望(禁煙/喫煙、カウンター/テーブル、アレルギー等)を自然な音声で聞き取り、空席状況と連動して即時に予約可否を判定。満席の場合は同一店舗の別時間や近隣店舗の空き時間をその場で提案する。確定内容は予約台帳(例:ebica予約台帳)へAPI連携で自動登録し、変更・キャンセルも同様に処理。営業時間外・繁忙時でも24時間対応し、要件が複雑な場合のみ人へ転送する。通話内容はダッシュボードで可視化され、問い合わせ種別や取りこぼし理由を分析して席配置や人員配置、メニュー案内の改善に直結させる。飲食業に特有の“席・回転・近隣店舗代替”の意思決定をその場で行うため、顧客の待ち時間をほぼゼロにし、予約確度と満足度を同時に高める。

AI導入前後の変化

導入前 (Before)

  • ピーク帯は1店舗あたり受電の4割が不在・話し中で取りこぼし。予約確定まで平均2~3回の折り返しが必要で、台帳転記ミスやヒアリング漏れが散発。営業時間外の予約は翌日対応で機会損失が発生。
  • 1店舗あたり電話応対120分/日→35分/日に削減(約70%削減)。月間で約28時間削減、時給1,500円換算で約42,000円/店舗の労務コスト圧縮。予約取りこぼし削減により来店増(+3~5%)を見込む。

導入後 (After)

  • AIが一次受電の大半を即時完結。満席時も代替提案で予約確定率が向上し、応対品質が平準化。通話ログ分析によりFAQの事前案内や席回転計画の見直しが進み、現場負荷と顧客待ち時間を同時に削減。

イメージ図

AI活用イメージ図

成果・効果・ROI

一次応対の自動化により、予約確定までの平均時間を数分→即時化、応対品質のばらつきを解消。取りこぼし電話の削減と代替提案で来店機会を創出し、月間売上3~5%増加を見込む。SaaS費用月3~5万円に対し、労務削減・売上増を合算した月次粗利改善は約10~25万円/店舗で、ROIは3~5倍。

実事例

ebicaのAIレセプションは電話予約の一次対応を音声AIで自動化し、累計20万件以上の受電処理を達成。来店日時や人数の案内、満席時の代替提案、予約の新規・変更・キャンセルまでを自動処理し、予約台帳へ即時連携することで、繁忙時・営業時間外でも顧客を待たせない体験を実現している。

https://www.ebica.jp/news/press/aireception-200k-cases/

さらなる展開

全店横断の在庫(席)可視化とAI配席、事前注文・アレルギー情報の自動収集、外国語対応、SMS/チャット連携での予約確認・無断キャンセル抑止、FAQの自動更新、コールセンターと統合した全チャネル一元化などへ段階的に拡張可能。

導入ロードマップ

  1. 現状分析 - 店舗別の受電件数・取りこぼし率・平均通話時間・営業時間外コール比率を計測。問い合わせカテゴリを分類し、席在庫データ連携方式(予約台帳/POS/顧客DB)を確認。
  2. 費用対効果の試算 - 1件あたり応対時間×件数×時給で削減効果を算定。取りこぼし改善と代替提案による来店増を保守的・標準・楽観の3シナリオで試算。SaaS費用・初期設定費・音声通話費を見積る。
  3. PoC検証 - 代表3~5店舗でAI一次受電を限定時間帯に導入。予約確定率、転送率、顧客満足、誤登録率、代替提案成立率をKPI化し、音声フローとFAQをチューニング。
  4. 社内稟議 - KPI改善と投資回収シミュレーション、セキュリティ(録音データ保護・個人情報取り扱い)と運用体制(人へのエスカレーション基準)を明文化。全店展開計画と教育計画を提示。
  5. 本番導入 - 全店の電話回線をAIへ着信振り分け、予約台帳APIと本番接続。ダッシュボードでモニタリングし、スクリプト・FAQ・代替提案ロジックを継続改善。多言語対応やSMS連携を順次展開。

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