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金融業界におけるAI活用によるパーソナライズド・マーケティング戦略の高度化

業界:金融・保険 部門:マーケティング・営業企画 課題:デジタル施策の効果検証・最適化 ソリューション:顧客セグメンテーション強化・データ活用意思決定支援・リアルタイム最適配信

背景・課題

金融業界では競争激化や顧客のデジタル接点の多様化に伴い、従来の画一的なマーケティングでは顧客の興味や行動に応じたサービス提供が困難となっている。加えて、マーケティング効果を正確に測定し次工程へ迅速に反映する仕組みの不足が課題として浮かび上がっていた。

AI活用ソリューション

AI分析基盤を活用することで、過去の取引履歴やウェブサイト訪問行動など多様なデータを統合・解析し、顧客ごとに最適なチャネルやタイミング、コンテンツを推奨。現場ではまず、パイロット対象(既存顧客の一部)での効果検証を経て、統計的に有意な改善が得られた施策のみを本運用へ拡大した。A/Bテスト結果や開封率・成約率などの数値を毎週可視化し、現場担当者による施策見直しと自動判定エンジンの併用で「人×AI」の意思決定サイクルを構築。

AI導入前後の変化

導入前 (Before)

  • 従来キャンペーンは広く均一にメール送信やバナー広告配信を行い、開封率・クリック率は平均2~4%台。誰に・何を届けるかの判断は属人的で、最大効果が測定されにくかった。A/Bテストも都度手動実施し、PDCAに時間がかかっていた。
  • A/Bテストやデータ集計業務にかかる運用担当の作業時間を従来比で月18時間→約10時間に短縮(−44%)。

導入後 (After)

  • AI分析で想定8つの細かい顧客セグメントごとに訴求内容を出し分け、パーソナライズ度を強化。パイロット運用後、メール開封率が約6%→7.2%(+20%)、バナー広告CTRが1.8%→2.1%(+16%)へ向上。汎用メールとの差でキャンセル率も1pt低減。A/Bテストは毎週自動化、1サイクルごとの所要工数を40%程度削減。

イメージ図

AI活用イメージ図

成果・効果・ROI

段階的な検証導入により、早期から無理のないROI改善(既存デジタル施策比で平均13%向上)と、現場スタッフの工数削減を同時実現。期待値を超えない安定した成果が評価され、全社規模での展開が進められた。

実事例

大手金融機関A社の事例。AIによるウェブ行動とCRM履歴の統合で、最適なキャンペーン配信タイミングを自動化。半年のパイロット運用で主要KPIが約15%向上、人手工数も半減した。定量・定性両面の数値を毎月レポートし、現場と本部が連携しながら段階的にAIの適用範囲を拡大した。

https://www.nri.com/jp/knowledge/blog/lst/2023/fis/sawada/0126

さらなる展開

KPI管理・分析システムとAPI連携し、個人営業や店舗施策、カスタマーサポート領域にもAIベースのパーソナライズ施策を拡大予定。全顧客接点に統一したデータ基盤で横断的な情報活用を目指す。

導入ロードマップ

  1. 現状分析 - 既存マーケティング指標・運用オペレーションを可視化し、データ収集体制やボトルネック特定を実施。
  2. パイロット検証 - 一部営業部門や既存顧客セグメントでAIツールを試験導入、施策の事前評価と調整。
  3. 効果測定・精度向上 - A/Bテスト定着化、集計自動化。メール/広告などKPIをモニタリングしながら精度を高める。
  4. 全社展開 - 効果が確認できたセグメントや部門を皮切りに段階的に本番運用を拡大。現場教育もあわせて実施。
  5. 高度活用・横展開 - 他チャネルやプロモーション全体への応用、店舗・営業施策・顧客サポートとの連携推進。

ご相談・お問い合わせ

まずは無料相談から承りますので、AI活用のことならお気軽にお問い合わせください。