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金融業界におけるAIチャットボット導入による顧客対応効率化の実際

業界:金融・保険 部門:カスタマーサポート 課題:業務効率化・問合せ品質の平準化 ソリューション:AIチャットボット活用(FAQ自動応答・有人接続含むハイブリッド対応)

背景・課題

金融業界では、膨大な数の問い合わせ対応が求められ、かつ専門用語や規制対応が必要なため高い業務負荷が発生しています。顧客ごとの問い合わせ内容が多岐にわたることで、人手による対応だけではコスト増や対応遅延、品質のばらつきが発生しやすい状況が続いていました。顧客満足度維持のため、標準化と業務効率化の両立が求められています。

AI活用ソリューション

AIチャットボットは、標準的な問い合わせ(例:契約内容の確認・手続き案内)に自動で回答し、業務負荷を大幅に削減するツールとして活用されています。ただし、法令や個別事情にかかわる複雑な問い合わせは依然として有人対応が必要です。そのため、チャットボットを一次窓口とし、解決できない場合は担当者へスムーズに引き継ぐハイブリッド体制を整備。現場のオペレーターからのフィードバックを受け、FAQメンテナンスやAIモデルの継続改善を行っています。

AI導入前後の変化

導入前 (Before)

  • 従来は電話・メールによる対応が大半で、1回ごとに情報検索や手順確認が必要となり、1問合せあたり平均10分を要するケースもありました。FAQ化が不十分で、同じ問い合わせのたびに担当者が都度対応していました。
  • FAQカバー率40%、単純問い合わせ対応工数が年間で20〜25%削減。対応履歴の分析によりさらなる効率化が進行中。

導入後 (After)

  • チャットボット導入後、FAQに該当する問い合わせの約35〜50%を自動応答化。難易度が高い案件は有人へ引き継ぐプロセスが確立。標準的な質問についてはほぼ24時間体制で即時対応可能となり、担当者は複雑案件対応などコア業務に集中できます。

イメージ図

AI活用イメージ図

成果・効果・ROI

自動応答の顧客利用率が定着し、問い合わせ待ち時間の短縮と業務負荷均等化を実現。初年度のROI(投資収益率)は110〜120%と、コスト削減効果が確実に現れています。顧客満足度向上については、チャットボット活用案件について平均アンケート評価が1割程度上昇しています。

実事例

みずほフィナンシャルグループでは、AIチャットボットを顧客向けサービスだけでなく、社内ヘルプデスクにも活用。問合せの「見える化」とFAQ刷新を継続し、複雑な質問は直ちに有人対応へ引き継ぐ運用方式で、実効的な省力化と顧客体験改善を両立しています。

https://www.mizuho-fg.co.jp/release/pdf/20220602_01.pdf

さらなる展開

他の業務分野—たとえばローン申込みや海外送金、社内規程案内など、更なる適用領域拡大が期待されます。機械学習と連携した問い合わせ内容の分析によって、継続的なFAQ拡充・サービス品質向上の好循環が見込まれます。

導入ロードマップ

  1. 現状評価・課題整理 - 現行の問い合わせ内容・件数・業務負担とFAQ整備状況の実態調査を実施。
  2. FAQ構築・AIの初期学習 - 頻出質問・標準回答を洗い出し、チャットボットの初期設定・トレーニングデータ化。
  3. 限定運用・効果検証 - 一部チャネル・一部問い合わせ種別への限定導入、利用状況モニタリング・利用者からのフィードバック収集。
  4. 本格導入・全社展開 - カバー範囲を拡大し、業務プロセス・有人オペレーターとの連携体制を確立。定期的な改善サイクルを構築。
  5. 継続改善・機能追加 - データを蓄積しながらFAQやAIの精度チューニング、システムの機能拡張や関連サービスへの応用を進行。

ご相談・お問い合わせ

まずは無料相談から承りますので、AI活用のことならお気軽にお問い合わせください。