環境・安全・CSR部門では、従業員からの問い合わせ対応や安全手順の運用が現場ごと・担当ごとにばらつき、手作業での対応が中心なためプロセス標準化が進まず、監査やガバナンス(誰がいつどの情報を参照したか、改訂履歴の管理)が不十分である。
社内向けチャットボットを唯一の一次窓口として導入し、Q&A(FAQ)をExcel等の簡易フォーマットで一元管理してチャットボットに展開する運用を徹底する。具体的には:1) 環境・安全・CSRで想定される定型問い合わせカテゴリ(手続き、報告方法、安全マニュアルの所在、緊急連絡フロー等)を洗い出し、Excelシートで「質問」「標準回答」「関連手順書リンク」「担当窓口」「更新日」を定義。2) これをチャットボットプラットフォームにインポートし、チャットは社内認証(Single Sign-On)で利用可能にしてログを紐付ける。3) 月次のQ&A定例で回答精度・未対応パターンをレビューしてExcelを更新、ボットへ反映する“運用サイクル”をルール化。4) 回答ログから未解決質問や繰り返し発生する問い合わせをダッシュボードで可視化し、標準手順の改訂や教育につなげる。これにより、担当者依存の対応を排し、更新履歴とアクセスログでガバナンス要件を満たす運用が可能になる。
成果として、月間数千件規模の問い合わせをボットで吸収し、定型対応の平均応答率は約90%超を維持。工数削減により運用コスト削減と対応品質の均一化が進み、監査対応や改訂管理の負荷も低下する。ROI試算の例:月間250時間の削減×仮定の平均時給3,000円=月額約75万円、年額約900万円の人件費相当削減(前提条件を明示して算出)。
SOMPOシステムズは社内のPC・アカウント関連など定型問合せ向けにユーザーローカルのサポートチャットボットを導入し、ExcelでQ&Aを管理して月次で更新する運用を行った結果、月間約3,000件の利用・平均応答率90%超・システム関連問合せを約50%削減するなどプロセス標準化とガバナンス強化に成功している。
社内向けで確立したQ&A運用とガバナンス基盤を活かし、他部門(リスク管理、法務、庁外窓口)への横展開が可能。さらに顧客向けチャネル(保険契約者向けFAQチャット)への拡張、チャットログを用いた定期的なリスク傾向分析やコンプライアンス監査支援、ナレッジを用いたオンボーディング教育コンテンツの自動生成などが見込める。
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