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病院の予約変更コールを“待たせない”へ:音声ボット×予約システムAPIで外来受付を自動化

業界:医療・福祉 部門:サービス・カスタマーサポート 課題:コスト削減・業務効率化 ソリューション:業務自動化・RPA(外部システム連携・定型業務の自動化)

背景・課題

外来の予約・変更・検査案内に関する電話が集中し、オペレーターが患者情報の聞き取りと予約枠照会に多くの時間を費やしていた。昼休み・夕方・検査前日に入電が偏り、待ち時間が発生。営業時間外は翌日へ持ち越され、再コール対応や取りこぼしがコスト増の要因となっていた。

AI活用ソリューション

唯一の解決策として「外来予約変更の電話応対を、音声ボットと予約システムAPI連携でエンドツーエンド自動化」する。患者が代表番号に電話→音声ボットが氏名・生年月日・診察券番号で本人確認→予約システムAPIへ照会し、診療科・担当医・検査条件を加味した空き枠を提示→患者の音声選択を確定→予約IDを発番しSMS/メールで通知、検査前の食事制限や持ち物など案内も自動再生。条件に合わない複雑ケースは、通話内容と検索履歴を添えてオペレーターへ即時転送する。CTIと連携して着信理由を自動分類し、夜間は完全自動で一次対応。個人情報は暗号化・アクセス権管理・監査ログで保護し、院内ガイドラインに準拠する。これにより「聞く→照会→提案→確定→通知」の一連を人手なく完結でき、待ち時間と再コールを大幅に削減。

AI導入前後の変化

導入前 (Before)

  • ・平均通話6分/件。予約照会のため保留が発生し取り次ぎも多い。・昼夕のピーク時に待ち呼が常態化、営業時間外は翌日対応。・QAの属人化により案内品質にばらつき。
  • 試算:1日400件中250件を自動処理、1件あたり3.5分短縮→約875分/日(14.6時間)削減=月間約320時間削減。オペレーター実働を約2名相当圧縮。

導入後 (After)

  • ・自動化率60〜70%で一次自己完結。平均通話2.5分/件に短縮。・24/7対応で夜間の再コール減。・案内内容をテンプレート化し品質を均一化、複雑ケースのみ履歴付きでエスカレーション。

イメージ図

AI活用イメージ図

成果・効果・ROI

費用対効果(試算例):人件費時給3,000円、年間削減時間3,800時間→削減額約1,140万円/年。導入費350万円、運用150万円/年とすると、初年度純効果は約640万円、投資回収は約7か月。2年目以降は約990万円/年の純効果を見込む。一次解決率の向上により患者満足度も改善。

実事例

Cognigyの医療向け事例。音声/チャットボットが予約・変更・検査案内の一次対応を担い、予約システムやCRMとAPI連携して本人確認から枠検索、確定、SMS通知まで自動化。複雑な案件のみ履歴付きでオペレーターへ引き継ぐ。

https://cognigy.tdse.jp/use-case/medical/

さらなる展開

同じ基盤で、検査前リマインドの自動発信、陰性/陽性など結果連絡の一次案内、外国語対応、介護事業所の送迎連絡や通所予定変更、健診センターの一括予約、入退院手続きの事前案内などへ横展開可能。FAQとナレッジを統合し、院内チャットで職員の問い合わせにも同一エンジンを活用。

導入ロードマップ

  1. 現状分析 - 月次入電数、理由別件数、時間帯分布、平均通話時間、一次解決率、予約システム連携可否(API/ファイル)、セキュリティ要件(個人情報の取り扱い)を可視化。
  2. 費用対効果の試算 - 自動化対象(予約変更・検査案内)と除外条件を定義。自動化率の仮説(例:60%)と1件短縮時間を掛け合わせ、FTE換算・回収期間を算出。
  3. PoC検証 - 代表診療科を対象にサンドボックスAPIでフローを試作。ASR精度、本人確認ロジック、空き枠提示、SMS通知、エスカレーションを実通話で評価。NPS/一次解決率/平均通話時間を測定。
  4. 社内稟議 - PoC実績とセキュリティ設計(暗号化・権限・監査ログ)を提示。運用体制(問合せ分類ルール、FAQ更新手順、障害時の切替手順)を整備。
  5. 本番導入 - CTI連携、本番API接続、通話フロー本番化。営業時間外の完全自動応対、日次バッチでの予約実績突合、ダッシュボード監視、継続的なFAQ/フロー最適化。

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