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労務・コンプライアンスQ&Aを24時間自動化し、誤案内リスクを最小化

業界:人材 部門:人事・総務 課題:コンプライアンス・リスク管理 ソリューション:チャット応対自動化(従業員・スタッフからの問い合わせ対応)

背景・課題

派遣・紹介など多様な雇用形態のスタッフから、勤怠・有給・社会保険・契約更新・ハラスメント窓口など労務・法令関連の質問が大量発生。電話・メール中心の属人的対応では最新規程の徹底が難しく、担当者による回答ブレや古い情報の案内が生じ、法令順守・監査対応の観点でリスクに。FAQは散在し更新履歴も不透明で、問い合わせ履歴の証跡も残りにくいことが課題だった。

AI活用ソリューション

人材業特有の“就業先・雇用形態・契約条件で回答が分岐する”点に対応した労務・コンプライアンス専用チャットボットを一次窓口として設置。労務マニュアル、就業規則、各種手続きフロー、雇用契約の一般ルールをナレッジとして一元管理し、版管理(施行日・改定履歴付き)を行う。スタッフが『有給の付与条件』『勤怠修正の手順』『社会保険の加入要件』『ハラスメントの相談先』など日常的に迷いやすいテーマを自然文で質問すると、ボットが就業先・雇用区分・地域(法令差)などの分岐条件を追加質問で特定し、該当ルールのみを提示。回答には根拠ドキュメントへの紐付けと最終改定日を明示し、誤案内防止と監査性を担保する。ガードレールとして、曖昧・例外案件は“人事労務担当へエスカレーション”を自動提示し、チャット内で会話ログを保存。キーワード抽出と未解決ログからFAQを自動整備することで、問い合わせが多い順にナレッジを強化し続ける。アクセス権を分け、個人情報が含まれる回答は社内認証後のみ表示するなど情報保護にも配慮。

AI導入前後の変化

導入前 (Before)

  • 電話・メール起点で担当者ごとに説明が異なり、最新規程の周知徹底が難しい。FAQは部門内に点在し検索性が低く、回答根拠や改定履歴が追えない。証跡が残らず監査・是正に時間。
  • モデル試算:月1,200件の労務系問い合わせのうち一次解決率70%とすると、人対応は360件に圧縮。1件あたり8分の対応短縮で月約112時間削減(担当者1.0~1.5名月相当)。実績値は運用設計により変動。

導入後 (After)

  • 労務・法令系の一次問い合わせをチャットで即時解決。回答は常に最新版のナレッジを参照し、根拠資料と改定日が併記されるため品質が標準化。全会話ログが自動保存され、監査・振り返りが迅速。難易度の高い案件は人に確実に接続。

イメージ図

AI活用イメージ図

成果・効果・ROI

・誤案内リスクの低減(最新版ナレッジ参照+版管理+根拠提示)・監査性の向上(全応対ログ保存、検索・エクスポート)・スタッフ満足度の改善(24時間即時回答)・担当者の生産性向上(一次応対の大半を自動化し、難案件対応と制度設計に注力)・ROI例:人件費削減(月112時間×人件費単価)+機会損失低減(誤案内・やり直し防止)から12~18カ月で投資回収を見込むモデル。

実事例

株式会社ウィルオブ・ワークは、労務関連の問い合わせ一次対応をUser Localのチャットボットで自動化。勤怠・有給・契約手続きなどのFAQを一元管理し、改定履歴を踏まえた最新回答を24時間提供。会話ログの保存により監査性が高まり、誤案内防止と対応品質の標準化を実現した。

https://chatbot.userlocal.jp/document/casestudy/willofwork/

さらなる展開

・社内人事問い合わせ(勤怠申請、各種証明書発行、福利厚生)への横展開・顧客企業別の就業ルールをテンプレ化し、配属先ごとに自動切替・人事システム(勤怠・給与・申請ワークフロー)と連携し、チャットから直接申請起票・改定通知の自動配信(改定時に関連FAQを自動更新・影響ユーザーへプッシュ通知)・ハラスメント相談など高機微窓口は匿名受付+専門部署直送の安全導線を追加

導入ロードマップ

  1. 現状分析 - 問い合わせ種類・件数・時間帯・解決率を可視化。誤案内が起きやすいテーマとリスクポイント(改定頻度が高い規程、配属先固有ルール)を特定。関係規程と根拠資料を洗い出し、版管理の起点を決める。
  2. 費用対効果の試算 - 一次解決率の目標(例:60~75%)と人件費単価を用いて工数削減効果を試算。誤案内・再対応コスト、監査対応時間の削減も加味。セキュリティ要件(認証、ログ、個人情報取扱い)と導入・運用費を見積もる。
  3. PoC検証 - 問い合わせ上位10~20テーマで最小構成のナレッジを構築。版管理・根拠リンク表示・エスカレーション設計・ログ取得を含む実運用に近い形で1~2カ月検証し、解決率・満足度・誤案内ゼロ継続を確認。
  4. 社内稟議 - PoC結果(解決率、削減時間、監査ログの有用性)とリスク低減効果を提示。情シス・法務・人事労務でセキュリティ・運用分担・SLAを合意し、配属先別テンプレの展開計画を承認。
  5. 本番導入 - FAQ拡充と就業先別分岐のテンプレ化、ID連携(SSO)と人事システム連携を段階適用。運用は“未解決ログ→ナレッジ改善”のサイクルを週次で回し、改定時は自動アラートで関連回答を一括更新。KPIは一次解決率・平均応答時間・誤案内ゼロ継続・監査所要時間をモニタリング。

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