物流業界では、夏季の繁忙期や天候・イベント要因による急激な需要変化への対応が課題でした。従来型の経験則や単純な過去平均予測では、繁忙期にトラックや配車スタッフが不足。一方で閑散期は過剰な車両待機によりコスト増につながっていました。さらに、現場では日々の追加オーダーや欠品リスクにも迅速対応できる仕組みの構築が求められていました。
当社では、AI需要予測システム(多変量時系列分析+外部要因連動型モデル)を導入。配車/在庫/人員データに加え、天候データ、地域イベント情報、さらには現場からの日々の利用フィードバックもモデルに逐次反映するサイクルで予測精度を高めています。システム導入初期はPoC期間(3ヵ月)を設け、現場スタッフと連携しながら“当たり外れ”の傾向や、誤差が大きいケースの要因も解析。その結果をモデル改修・パラメータ調整に活かす現場密着型の運用を徹底しています。これにより、従来では見過ごされがちだった天候や臨時イベントの影響を考慮した柔軟な配車計画や在庫計画が実現できました。AI単体ではなく、現場の意見と組み合わせて運用している点がポイントです。
AIシステム総導入コストは1,000万円規模だったが、年次で2,500万円超の業務改善効果(車両稼働率向上・人件費/外注費低減など)を数値で記録。ROIは1.5年以内で達成(※実際の財務データも社内承認のうえ公表可能)。誤差が大きい事例も体系的に記録し、現場とAI開発チームで毎月レビューを実施。
日本通運では2023年からAIと現場ノウハウ融合型の“需要変動対応型物流計画システム”を導入。AIが膨大な過去実績/天候データ/地域情報を複合解析し、配車計画を自動提案。初期運用フェーズで現場からの誤差分析フィードバックも重視し、次年度には配車効率が前年比1.4倍、超過勤務も大幅減を実現。導入の進化を定期レポートで公開し、透明性の高い導入事例として業界注目。
この現場フィードバック×AIの運用フレームは、今後他拠点やグループ会社にも段階的拡大予定。配送だけでなく倉庫入出庫や在庫変動管理領域にも応用し、BCPや自動発注連携等、新たな最適化領域での利用も構想中。
まずは無料相談から承りますので、AI活用のことならお気軽にお問い合わせください。