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協働ロボットとAI活用による生産ライン効率化の現場事例

業界:製造業(自動車部品) 部門:生産・製造 課題:工程間ムダ・人手不足 ソリューション:AI+協働ロボット導入

背景・課題

自動車部品メーカーA社では、熟練作業者の高齢化や人手不足が進行し、工程間搬送や単純組立など“人手依存が高くミスも発生しやすい作業”の改善が急務となっていた。生産量変動への対応や、不良品流出防止なども課題化していた。

AI活用ソリューション

A社は現場ライン担当者、IT部門、外部システムインテグレータが連携し、段階的な現場観察とPoC(実験導入)を実施。品質データ・作業ログをIoTで収集、AIで不良品発生の予兆分析を行った。また、工程間搬送は協働型ロボット(人との協働が許可された可搬型装置)に置換し、安全装置・センサー連動による段階導入を継続した。こうしたプロセスにより、AI活用効果や現場ワーカーからのフィードバックを反映しながら対象範囲を段階拡大した。

AI導入前後の変化

導入前 (Before)

  • 従来は主に人手によるハンディ搬送・単純検査が多く、月間総工数は約400時間。繁忙期は残業が発生し、短納期や多品種変化への対応負荷も高かった。
  • 月間工数は実施現場2ライン合計で400時間から概ね340時間と約15%削減。不良流出も減少したが、ライン拡張時には現場調整や追加検証が必要な段階。

導入後 (After)

  • PoC現場の2ラインに限って段階導入し、単純搬送や検査の一部を協働ロボットに置き換え。AI活用で不良率は約15%減(現場実測)、月間工数は約400→340時間(本格運用では未確定)。品質管理と手順遵守も強化された。

イメージ図

AI活用イメージ図

成果・効果・ROI

手作業依存の比率が低下し、人手不足時の生産維持力が向上。不良品流出リスク減、ミス検知の高速化により納期遵守率も改善。“全体最適”の途中段階だが、次のライン拡張に確かな手ごたえを得ている。ROIは初年度は50%、全ライン拡張時に110%を見込む(社内試算)。

実事例

A社の事例では、現場リーダー・IT部門・現場作業者が協働し、実証実験・フィードバック・AI分析のサイクルを重ねた。過度な自動化を避け、現場適用性や安全制御を重視した運用設計が信頼性と納得感につながった。

https://ones.com/ja/blog/knowledge/business-efficiency-improvement-cases/

さらなる展開

今後は他の生産ライン、異なる工程にも段階的に展開を計画。またAI活用範囲を不具合予兆・設備保全・作業負荷平準化などにも広げ、全社横断的な生産最適化プラットフォームとして定着を目指している。

導入ロードマップ

  1. 現場工程ヒアリング・ボトルネック特定 - ラインごとの人手作業・頻発不良・工程トラブルなどを現場リーダーと可視化。
  2. PoC実証・AI&ロボット試験導入 - 一部工程で協働ロボット・AI分析をテスト運用し、現場作業者へのヒアリングと実用性評価。
  3. 現場フィードバックと改善サイクル - 運用中のトラブル、工数変化、現場からの改善要望を吸い上げてチューニング。
  4. スケールアップ(範囲拡大) - 効果・課題をもとに対象範囲を同フロアの複数ラインへ段階拡大。PoCで得たデータ知見を活用。
  5. 運用および全社展開計画 - 成果・ROI評価を基に全社展開計画化。他工程への適用検証・横展開の具体化を推進。

ご相談・お問い合わせ

まずは無料相談から承りますので、AI活用のことならお気軽にお問い合わせください。