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コピーを“理由付き”で量産。AICO2で新規顧客獲得を加速

業界:メディア・広告・出版 部門:マーケティング・広報 課題:売上向上・新規顧客開拓 ソリューション:コンテンツ生成(広告コピー・説明文・Web/SNS投稿)

背景・課題

認知獲得から指名検索・来店・購入までを伸ばすには、媒体やターゲット別に大量の広告コピーと説明文が要る。一方で、属人的な制作ではスピードと品質の両立が難しく、ブランドトーンのぶれや審査差し戻しが頻発。結果としてA/Bテスト回数が不足し、獲得効率の改善余地を取りこぼしていた。

AI活用ソリューション

AIコピー生成ツール「AICO2」を中核に据え、コピーライターの思考プロセスを学習したモデルで“理由付き”の広告コピーを自動生成する。入力は①伝えたいこと、②商品名、③解決したい課題の3点。AICO2はそれらから「伝えるべきこと」と「表現方法」を根拠とともに提示し、内蔵の自動採点機能で基準点に達した案だけを通過させる。通過案は媒体(検索・SNS・動画・ディスプレイ)別の文字数・禁止表現・審査基準に合わせて整形し、ブランド用語集に沿って語調を統一。最終選定と微修正は人が行い、承認フローに沿って配信。これにより“質の高い複数案を短時間に”用意でき、媒体別のA/Bテストを高速回転させて新規獲得の歩留まりを上げる。

AI導入前後の変化

導入前 (Before)

  • 媒体・ターゲット別に都度ゼロから案出し。表現の根拠が言語化されず、レビューで差し戻しが多い。ブランドトーンの統一に時間がかかる。
  • 試算例:1媒体あたりのコピー案作成・レビュー30分→7分、キャンペーン初期の候補出し10案/人日→100案/時、初稿提出リードタイム5営業日→1営業日(自社導入を想定した参考値)。

導入後 (After)

  • 入力3点から理由付きコピーを一括生成→自動採点でふるい分け→人が最終微修正。媒体別フォーマットに自動整形され、レビューは根拠を見ながら短時間で判断可能。

イメージ図

AI活用イメージ図

成果・効果・ROI

短期:初期出稿までのリードタイム短縮、テストバリエーション増加、審査差し戻し低減。中期:媒体別の勝ちパターン学習が進み、CTR・CVRの改善余地が拡大。ROIモデル例:制作外注比率を20%圧縮しつつテスト回数3倍→同予算で獲得単価(CPA)を10〜20%改善(前提:広告費規模と業種により変動)。

実事例

電通と電通デジタルは、コピーライターの思考プロセスを学習させたAI広告コピー生成ツール「AICO2」を開発。入力した「伝えたいこと」等から、理由付きでキャッチコピーを生成し、自動採点で一定水準の案のみを出力する。ブランドトーンを保った高品質なコピーを短時間で量産し、ブランディング領域の制作を支援する。

https://www.dentsu.co.jp/news/release/2024/0805-010761.html

さらなる展開

同じ仕組みをプレスリリース見出し・本文要約、LPの見出し案、SNS投稿文、動画ナレーション原稿、店頭サイネージ文面まで拡張。広告審査NGワード辞書・法務チェックテンプレートとの連携で承認ワークフローを自動化し、各事業部のキャンペーン運用に横展開。

導入ロードマップ

  1. 現状分析 - 媒体別に必要なコピー量・制作リードタイム・差し戻し理由を棚卸し。ブランド用語集と審査基準を収集し、ガバナンス要件を定義。
  2. 費用対効果の試算 - 現行工数・外注費・掲載遅延の機会損失を算定し、AICO2導入後の生成・レビュー・承認の時間短縮とテスト増によるCPA改善を試算。
  3. PoC検証 - 1プロダクト×2媒体で実運用。入力テンプレ・採点基準・用語集を調整し、品質指標(承認率、審査通過率、CTR/CVR)を測定。
  4. 社内稟議 - PoCの数値とリスク対策(誤表記・薬機/景表への配慮・NGワード管理)を添えて投資判断。運用体制と責任分界点(AI/人)の明文化。
  5. 本番導入 - ブランド横断でテンプレ・辞書・採点基準を標準化。媒体別の自動フォーマット整形と承認ワークフローに接続し、A/Bテストを定常運用化。

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