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店舗とECをつなぐ“受発注RPAハブ”で、少人数でも回る営業オペレーションへ

業界:商社・小売・卸売 部門:営業・販売 課題:人手不足・属人化解消・省力化 ソリューション:業務自動化・RPA(外部システム連携・定型業務の自動化)

背景・課題

取引先や自社EC、基幹システム、在庫・価格台帳がバラバラで、営業担当がメール・PDF・Excelから受注内容を読み取り、商品コード変換、在庫・価格の突合、受注登録、出荷依頼、通知メール送信までを手作業で担当。SKU数や価格改定が多く、人による判断・操作に依存してミスや滞留が発生し、少人数体制では繁忙期に捌ききれない。

AI活用ソリューション

“営業・販売の受注〜出荷前”に特化したRPAハブを構築。外部の取引先ポータルや自社EC、社内の基幹・在庫・価格DBとつなぎ、1) PDF/メールの注文書を自動で読み取り(AI-OCR)、2) 商品コード・得意先コードを業界特有のコード表で自動変換、3) 在庫・価格・キャンペーン条件を自動照合、4) 基幹に受注をAPIまたは安全な画面操作で登録、5) 出荷指示と納期回答を自動送信、6) 例外(品切れ・価格差異)は“要確認ボックス”に集約して担当者に通知。小売・卸の特性(SKU頻繁追加、季節波動、複数仕入先・単価差、値引・販促条件)に合わせ、テンプレート化された“商品コード変換・価格判定ロジック”を中核に据えるため、店舗・本部ともに同じルールで高速に処理できる。結果、手入力と属人判断を最小化し、夜間バッチで翌営業日分まで先回り処理が可能になる。

AI導入前後の変化

導入前 (Before)

  • メール・FAX・ポータルの受注を担当者が目視で確認→Excel台帳へ転記→在庫・価格照合→基幹登録→取引先へ返信。人依存で処理時間と品質がばらつく。
  • 1件あたりの処理時間を“数分の手作業”から“秒〜数十秒の自動処理”へ短縮(例外のみ確認)。繁忙期の増加分も夜間自動処理で吸収。

導入後 (After)

  • RPAハブが受注収集〜照合〜基幹登録〜通知まで自動実行。担当者は例外確認と顧客対応に専念。処理は24/7で平準化され、監査ログも自動保存。

イメージ図

AI活用イメージ図

成果・効果・ROI

入力・転記ミスの削減、処理遅延の解消、担当者の負担軽減により、営業が提案・追加販売に時間を割けるように。自動化率の向上に連動して処理能力が直線的に伸び、固定人員のまま受注ピークを捌ける体制を実現。ROIは“削減工数×人件費+機会損失の回収”で算定しやすく、短期回収が見込める。

実事例

PPIH(ドン・キホーテ等を展開)の事例。UiPathを用いて現場の定型業務を自動化し、店舗・本部の作業を標準化。受発注やデータ転記などの作業をロボットに任せ、人は付加価値業務に集中できる体制を構築したことが紹介されている。

https://www.uipath.com/ja/resources/automation-case-studies/ppih

さらなる展開

同一のRPAハブを、仕入先別の発注、値札・販促ラベル自動生成、返品・回収処理、請求照合(伝票PDF→仕訳)へ横展開。店舗日報の要約、レビュー/SNSの要約、品切れ・滞留在庫の自動検知などへ拡張し、営業・販売の“日々の定型判断”を標準化する。

導入ロードマップ

  1. 現状分析 - 受注〜出荷前の業務フローを棚卸し。入力チャネル(メール/PDF/ポータル/EC)、使用台帳、基幹登録手順、例外パターンを洗い出し、処理件数とピーク時の負荷を計測。
  2. 費用対効果の試算 - 1件あたり処理時間×月間件数から削減工数を算出。RPA/AI-OCR/接続開発費・運用費と比較して投資回収期間を試算。
  3. PoC検証 - 対象を“受注の読み取り→在庫・価格照合→基幹登録”の最小経路に限定し、3〜4週間で試験運用。例外規則と監査ログの設計を固める。
  4. 社内稟議 - 定量効果(削減時間・処理能力向上)とリスク対策(権限管理・ログ・障害時手順)を明文化し、情報システム・業務部門で合意。
  5. 本番導入 - 夜間バッチと日中即時処理を組み合わせ、対象SKUと取引先を段階拡大。運用ルールをマニュアル化し、例外対応のみ人が確認する体制へ移行。

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