店舗数の拡大と温度帯の違い(常温・チルド・冷凍)により、地域ごとに配送設計の基準や意思決定がばらつき、走行距離の増加・車両稼働の偏り・CO2排出量の可視化不足が発生。環境目標(中期のCO2削減)に対して、属人的なルート設計では改善の検証・横展開が困難で、全社で共通のKPIとルールにもとづくガバナンスが必要だった。
解決策は“配送ルート最適化AIの標準運用化”に絞る。全店舗の位置、納品頻度・時間帯、温度帯ごとの積載条件、センター稼働時間、車両サイズ・台数、道路規制・実走行速度、CO2排出係数などを一元化して入力し、AIが「総走行距離・車両台数・遅延リスク・CO2」のバランスを最小化する配送コース案を自動生成。AIは新旧コースを比較し、距離・便数・CO2の変化を可視化して根拠ある差し替え判断を支援する。現場の運用は、(1)週次で新規出店・販促等の需要変動を反映して再最適化、(2)採用したコースを標準フォーマット(コースID、立寄順、時間窓、積載率、温度帯タグ)で確定、(3)変更理由と効果をダッシュボードに自動記録し、本部のCSR・物流・調達が同じ指標で承認・監査できるようにする。これにより、各エリアでバラバラだった設計・検証・承認フローを一本化し、環境KPIと物流KPIを同時に満たす全社ガバナンスを実現する。
配送コースと車両台数を約10%削減、年間走行距離を大幅短縮し、物流由来のCO2排出を着実に削減(2017年度比で二桁%減を達成)。燃料費・車両費・委託費の合算で一桁%台後半のコスト削減を見込み、初年度〜12カ月程度で投資回収の目安。
ファミリーマートはAIによる配送ルート最適化を常温・チルド・冷凍の全温度帯に段階展開し、週次で需要変動を反映して再最適化。コースと車両台数の削減、走行距離短縮により物流由来のCO2排出を大幅に抑制。効果は標準化された指標で可視化・承認され、全社ガバナンスのもとで継続改善が回る仕組みを確立した。
https://www.family.co.jp/company/news_releases/2025/20250605_01.html
・店舗の発注・在庫と連動した“需要予測×ルート最適化”によるさらに無駄のない便設計/・渋滞・気象データを取り込んだ当日動的リルーティング/・共同配送(他社飲料・菓子など)やリバースロジ(回収便)との一体最適/・CO2実績の自動集計とESGレポーティング連携/・人員シフト最適化との統合で“車両×人”の同時最適化へ拡張。
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