home

バグと手戻りを断つ:GitHub Copilotで“テスト同時生成型”コーディングを実装

業界:IT・通信 部門:情報システム・IT 課題:品質向上・不良低減・クレーム削減 ソリューション:コード生成(プログラム、スクリプト、テストコードの自動作成)

背景・課題

障害やリリース後の不具合は、仕様の解釈ブレやテスト観点の漏れ、レビュー前の準備不足が原因で起こりやすい。特にAPIやバッチ処理など改修頻度の高い領域では、単体テストや例外処理の作り込みが後回しになり、手戻りやクレーム対応が発生しがちだった。

AI活用ソリューション

唯一の解決策として、開発の“書く”瞬間に品質を作り込む「GitHub Copilotを中核にしたテスト同時生成型コーディング」を導入する。具体的には、①業務ごとに用語・入力制約・エラーパターンをまとめた軽量仕様(プロンプト雛形)を整備し、②その雛形をもとにCopilotでAPIやバッチの骨組み、入力検証、例外ハンドリングを一括生成、③同じ文脈から単体テスト(正常・異常・境界値)とモックも同時生成、④生成物は静的解析ルールとセキュリティ観点(インジェクション回避など)をプロンプトに含めてガード、⑤PRテンプレートに“自動生成テストが全て通ること”を必須化してレビュー工数を圧縮する。IT・通信のSaaS/基盤開発では、頻繁なAPI改修や互換性維持が必須のため、実装とテストを同時に量産できるこの運用が特に効果を発揮する。

AI導入前後の変化

導入前 (Before)

  • 実装を優先し、テストは後追い。レビュー前にテストが揃わず、指摘修正→再レビューのループが発生。例外系の抜けや境界値の見落としが品質事故の温床になっていた。
  • 参考値:1機能あたりの実装+単体テスト作成時間を20~40%短縮、レビュー準備時間を約30%短縮、レビュー指摘件数は約15~30%減(チームやドメインにより変動)。

導入後 (After)

  • 機能実装の直後に単体テストが自動生成され、レビューは“差分の妥当性確認”に集中。例外処理・入力検証の抜け漏れが初期段階で可視化され、手戻りが減少。

イメージ図

AI活用イメージ図

成果・効果・ROI

初期品質の底上げにより、リリース後不具合とエスカレーションの減少、開発のスループット向上を同時に実現。ROI例:エンジニア10名体制で一人あたり月6時間の短縮なら、時給6,000円換算で月計約36万円の効果。月額ツール費を差し引いても十分な黒字化が見込める。

実事例

ラクスの技術ブログ事例。GitHub Copilotを用い、APIやバッチ処理の骨組みと併せて単体テストやモック、例外処理のたたきを生成。プロンプトにコーディング規約・入力制約・想定エラーを含めることで、境界値や異常系の漏れを早期に発見し、レビュー前に品質を作り込む運用を紹介。

https://tech-blog.rakus.co.jp/entry/20231226/GithubCopilot

さらなる展開

同一プロンプト雛形を横展開し、バックエンド・フロント・インフラ(IaC)まで統一。障害事例から再発防止テストを自動生成、運用監視ログから再現テストを起こす仕組みへ拡張。セキュリティ診断項目や静的解析ルールをプロンプトに組み込み、コードレビュー支援、設計ドキュメント自動生成、変更影響範囲の要約提示へも展開可能。

導入ロードマップ

  1. 現状分析 - 品質事故の発生箇所と原因(例外処理・入力検証・境界値漏れ等)を洗い出し、対象領域(API/バッチ)と対象言語・フレームワークを特定。既存テストカバレッジとレビュー工数を計測。
  2. 費用対効果の試算 - 1機能当たりの開発・レビュー・不具合対応工数を基準に、20~40%短縮シナリオでの効果を算出。開発者数×ツール月額+教育時間をコスト化し、3~6カ月での回収可否を評価。
  3. PoC検証 - 1~2スプリントで対象機能を選び、プロンプト雛形を整備。Copilotで実装・単体テスト・例外処理の同時生成を実施し、品質KPI(指摘件数、手戻り率、ビルド失敗率)を比較。
  4. 社内稟議 - PoCの指標改善とコスト比較を資料化。開発規約(プロンプト雛形、PRテンプレート、セキュリティ観点)を標準として定義し、情報セキュリティ部門と運用ガイドを合意。
  5. 本番導入 - 全リポジトリにテンプレートを適用。オンボーディング研修(プロンプト作法・生成物の検証手順)を実施し、メトリクスをダッシュボード化して継続改善。

ご相談・お問い合わせ

まずは無料相談から承ります。世界トップクラスのAI研究者が、AI活用について相談に応じますので、お気軽にお問い合わせください。