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“待たせないサポート”を実現する生成AIチャット:auサポートの即解決体験

業界:IT・通信 部門:サービス・カスタマーサポート 課題:顧客満足度向上・サービス改善 ソリューション:チャット応対自動化(顧客・従業員からの問い合わせの自動応対)

背景・課題

料金プラン・端末設定・通信障害など、IT・通信の問い合わせは内容が長く前提条件も多いため、従来のFAQ型ボットでは意図を取り違えやすく、自己解決率が頭打ち、有人へ移る際の情報引き継ぎ不足で対応時間が延び、顧客満足度(CSAT)低下と運用コスト増につながっていた。

AI活用ソリューション

生成AIを中核にした“意図把握→補足質問→回答生成→有人連携”の一気通貫フローを実装する。具体的には、1) 長文の相談文を要約して論点を抽出、2) 契約情報・端末種別・利用中サービス(ID連携による同意済み範囲)の自動参照、3) 情報が足りない場合はAIが要件定義のように追加質問を生成、4) 社内ナレッジ・最新の障害情報API・端末設定手順DBを横断検索し、ユーザー環境に合わせた手順(例:機種別の画面キャプチャ付き)を自然文で提示、5) 解決しない場合は有人にシームレス転送し、それまでの対話と端末・契約コンテキストをAIが数行に要約して引き継ぐ。IT・通信特有の“機種×OS×料金×通信状況”の組み合わせ爆発に対し、生成AIで個別最適の手順を即時合成する点が唯一の肝で、従来の固定FAQやツリーでは再現できない。

AI導入前後の変化

導入前 (Before)

  • ・初回の意図取り違えが多く往復が発生/FAQの分岐から離脱が多い/有人移行時に状況説明のやり直しが頻発。
  • 試算(前提:月1万件、平均6分/件のオペレーション負荷)。AI導入後は自己解決が+15〜20pt、有人移行件数を20〜30%削減、有人1件あたりの前処理2分を要約引継ぎで0.5分に。年間換算で約1,200〜1,600時間の削減。

導入後 (After)

  • ・長文でも1往復で要点確定、環境に合わせた具体手順を提示/未解決時も要約引継ぎで担当者が即対応開始。

イメージ図

AI活用イメージ図

成果・効果・ROI

公開情報では詳細数値は限定的だが、上記試算条件では年間コストを人件費換算で約1,500万円規模削減(1時間=9,500円相当として)。初期構築・運用費(月次LLM利用含む)を年1,000万円とすると、投資回収は約8〜12カ月。CSATは“たらい回し感”の解消と回答の即時具体化により上昇が見込まれ、NPS改善にも寄与。

実事例

KDDIはauのサポートチャットに生成AIを活用し、長文の相談から要点を要約、足りない情報を自動で確認したうえで、契約・端末情報や障害情報を参照し個別最適の解決手順を提示。解決しない場合は会話要約を有人に引き継ぎ、応対の速さと正確さを高めて顧客満足度の向上と運用効率化を実現した。

https://newsroom.kddi.com/news/detail/kddi_pr-1153.html

さらなる展開

・法人向けヘルプデスクや社内ITヘルプへの横展開(SaaS設定・アカウント発行の自動手順化)・音声IVRとの統合で“話すだけ”の自己解決・請求/解約/機種変更などバックエンド手続きの自動実行・障害発生時の一斉告知と個別影響度説明の自動生成・対話ログからFAQ/マニュアルを自動整備し、ナレッジ鮮度を恒常的に維持。

導入ロードマップ

  1. 現状分析 - 問い合わせ種別・離脱ポイント・有人移行理由を定量化。契約/端末/障害情報APIの連携可否と同意取得プロセスを棚卸し。
  2. 費用対効果の試算 - 自己解決率・平均処理時間・有人移行率の改善仮説を置き、件数×時間単価×ツール費で12カ月ROI試算。
  3. PoC検証 - 上位3シナリオ(料金/端末設定/障害)で限定公開。生成AIの補足質問精度、ナレッジ検索精度、要約引継ぎ効果をA/Bで測定。
  4. 社内稟議 - 個人情報の取り扱い設計(匿名化/最小化/保管期間)と監査証跡、品質指標(解決率/CSAT/SLA)を提示。運用体制と費用計画を明確化。
  5. 本番導入 - 認証連携と各API接続を本番化。監視ダッシュボードで解決率・再問い合わせ率・生成回答の検証フロー(人手評価/自動評価)を常時運用。

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